歯根破折

歯根破折(しこんはせつ)とは?

歯根破折の症状と特徴

歯根破折の症状と特徴

神経が残っている歯が破折した場合、初期には「冷たいものや甘いものがしみる」「噛むとピリッと痛む」など、知覚過敏に似た症状が現れることが多くあります。
進行すると、刺激がなくてもズキズキと痛みが続いたり、夜眠れないほど痛むケースもあり、むし歯や神経の炎症に似た症状を訴えることもあります。
一方、すでに神経を取っている歯(失活歯)が割れた場合は痛みを感じにくいため、気づかないうちに破折が進行していることもあります。
割れた部分から細菌が侵入すると、歯ぐきの腫れや膿の排出、噛んだときの違和感などの症状が現れ、やがて歯を支える骨に炎症が広がることもあります。
このように歯根破折は、ある日突然起こることも少なくありません。
診察の結果、「残念ながら抜歯が必要です」と診断され、初めて破折を知る患者さまも多くいらっしゃいます。突然の抜歯という診断に驚かれる方も少なくないでしょう。ここでは、歯が割れる原因や予防法について詳しくご紹介します。

歯を失う原因の第3位「歯根破折」

日本歯科医師会などの調査によると、歯を失う原因の内訳は、歯周病が約4割、むし歯が約3割、歯根破折が約1割とされています。
特に、歯周病やむし歯のリスクが比較的低い方でも、歯がしっかり残っているほど強い咬合力が加わり、歯根破折による抜歯リスクが高まる傾向があります。
さらに、定期的なクリーニングやメンテナンスの普及により、むし歯・歯周病による抜歯は減少していますが、代わりに歯根破折によって歯を失うケースが増加しています。
健康な歯を長く保つためにも、「歯が割れるリスク」について正しく知ることが重要です。

歯が割れる・ひびが入る主な原因

歯ぎしり・食いしばりによる負担

歯ぎしり・食いしばりによる負担

歯ぎしりや食いしばりは、無意識のうちに強い力を歯にかけてしまう習慣です。特に就寝中は自覚がないまま、日中の3~10倍もの力が加わることもあります。
こうした過度な力は、以下のような影響を及ぼします。
歯の摩耗:エナメル質が削られ、歯の強度が低下します。
微小なひび(クラック)の発生:強い咬合力が繰り返し加わることで、目に見えない亀裂ができ、それが次第に広がって破折に至ります。
歯根へのストレス:力が歯の根まで伝わり、歯根部分が割れてしまうこともあります。
朝起きたときに顎のこわばりや歯の違和感を感じる方は、歯ぎしり・食いしばりが原因の可能性があります。早めのご相談をおすすめします。

神経を失った歯(失活歯)の脆弱化

根管治療などで神経を取った歯は、見た目に問題がなくても内部がもろくなりやすい傾向があります。
その理由は以下の通りです。
感覚が失われるため、過度な力に気づきにくい
痛みを感じにくくなることで、強い力が加わっても無意識に噛み続けてしまい、破折のリスクが高まります。
水分が失われ、乾燥してもろくなる
神経を除去した歯は血流が途絶えるため、水分を保てず乾いた木のように割れやすくなります。
そのため、失活歯はクラウン(被せ物)で補強することが推奨されます。根管治療を受けた歯がある方は、定期的なメンテナンスを欠かさないことが大切です。

金属の土台(メタルコア)による応力集中

金属の土台(メタルコア)による応力集中

過去の根管治療では、歯の内部を補強するために金属製の土台(メタルコア)が多く用いられてきました。
しかし、金属は天然歯よりも硬いため、噛む力が均等に分散されず、歯の内部にひびが入りやすいという欠点があります。

硬すぎる素材によるストレス集中

噛むたびに金属が歯の内側から圧力をかけ、亀裂や破折を引き起こすことがあります。

歯との弾性の違いによるミスマッチ

金属は衝撃を吸収しにくく、歯に直接的なダメージを与えやすくなります。
現在では、より歯に近い弾性を持つグラスファイバー素材の「ファイバーコア」が主流となっており、破折リスクを抑えた治療が可能です。
過去に金属の土台を入れている方は、歯根の状態確認を含めた定期的な検診を受けることをおすすめします。

歯根破折を防ぐには、日常のケアと早期対応が欠かせません。

定期検診の受診

小さなひびや歯ぐきの腫れは自覚しにくいため、定期的なチェックで早期発見・早期対応を心がけましょう。

ナイトガード(マウスピース)の活用

睡眠中の歯ぎしりや食いしばりを和らげることで、歯への負担を軽減できます。

適切な補強治療の選択

根管治療後の歯には、ファイバーコアなど歯にやさしい素材を使用し、破折リスクを減らします。
「歯がしみる」「噛むと痛い」「歯ぐきに膿が出た」などの症状がある場合、破折の初期段階である可能性もあります。
放置せず、早めに西村デンタルクリニック(町田市多摩境)へご相談ください。
患者さまの歯をできる限り残すために、経験豊富な歯科医師が最適な治療方法をご提案いたします。

抜歯が必要となる場合とその後の対応

破折が歯根の深部にまで達していたり、感染や炎症が強く進行している場合には、歯を残すことが難しく、抜歯が避けられないケースもあります。

抜歯を検討する主なケース

歯根が縦方向に大きく割れてしまっている場合
破折線が根尖部まで広がっている場合
感染や炎症が進行し、隣接する歯や骨に影響を及ぼしている場合

このような状況で無理に歯を残そうとすると、炎症の再発や骨吸収が進行し、周囲の健康な組織にも悪影響を与えるおそれがあります。
そのため、長期的な口腔の健康維持を見据えて抜歯を選択することが望ましい場合があります。

抜歯後に考えられる治療の選択肢

歯を失ったまま放置すると、噛み合わせのズレや見た目の変化、他の歯への負担増加などを招くことがあります。
そのため、抜歯後は「噛む」「話す」「見た目」を回復するための補綴治療(ほてつちりょう)が必要です。
当院では、患者さまの年齢・生活スタイル・審美的なご希望を踏まえ、以下の治療方法から適切なものをご提案いたします。

インプラント治療

顎の骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する方法です。
天然歯に近い感覚でしっかり噛むことができ、見た目も自然に仕上がります。
また、周囲の健康な歯を削らずに済むため、機能性・審美性の両面に優れた治療法です。

ブリッジ治療

失った歯の両隣を支台として利用し、連結した人工歯を橋のように固定する方法です。
固定式のため装着時の違和感が少なく、短期間で治療が完了する点が特徴です。
ただし、支えとなる健康な歯を削る必要があるため、事前の慎重な検討が欠かせません。

当院の歯根破折治療について

特徴①:CTとマイクロスコープによる高精度な診断

歯科用CTによる精密診断

マイクロスコープによる詳細な観察

特徴②:歯をできるだけ残すための専門的な治療技術

再植術(さいしょくじゅつ)

エクストルージョン法(矯正的挺出)

歯根端切除術

特徴③:治療後も安心の長期メンテナンス体制

3~6カ月ごとの定期検診・CTチェック
専用機器による歯周・根尖部の状態確認
歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニング(PMTC)

歯根破折の診断方法と治療方針の決定

診断

治療方針のご説明・決定

治療の実施

定期的なメンテナンス

部分入れ歯(義歯)

金属のバネや樹脂などを使って隣の歯に固定する取り外し式の人工歯です。
外科的な処置が不要で、手術に抵抗のある方や骨の厚みが少ない方にも対応しやすい治療法です。

患者さまと共に適切な選択を

歯を「残す」か「抜く」かは、単に歯の状態だけでなく、将来の噛み合わせや生活の質にも関わる大切な判断です。
西村デンタルクリニックでは、歯科用CTやマイクロスコープを用いた精密検査を行い、「残せる可能性があるか」を慎重に診断したうえで、最も適した治療方法をご提案いたします。

破折歯の保存治療からインプラント・ブリッジ・入れ歯まで、すべての選択肢を丁寧に説明し、患者さまが安心して納得できる治療を心がけています。

インプラント治療を検討される方へ

歯を割らないためにできること

定期検診の受診

ナイトガード(マウスピース)の活用

適切な補強治療の選択

早期発見が歯を守る鍵

歯根破折は、歯を残せるケースと残せないケースで治療方針が大きく変わる疾患です。
そのため、早期発見と正確な診断が歯の寿命を延ばすうえで非常に重要です。
「噛むと痛い」「歯ぐきが腫れている」「治療した歯がうずく」など、気になる症状がある場合は、
放置せずにお早めに西村デンタルクリニックへご相談ください。
当院では、CT・マイクロスコープによる精密診断と、歯をできる限り残す治療で、患者さまの大切な歯を守ります。

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